クリニックで生じやすい人間関係トラブル

看護師のクリニック勤務は、病棟とはまた違った人間関係の難しさがあるのをご存知だろうか。実際、クリニックは病院に比べて規模が小さく、人間関係のトラブルが起きると深刻化しやすい傾向にある。物理的にも業務的にも必然的にスタッフ同士の距離が近くなるため、一度人間関係に亀裂が入ると、逃げ場がなくなり精神的に追い込まれやすいのだ。

特に、スタッフ間の業務範囲の曖昧さがトラブルの原因になることが多いようだ。クリニックでは、看護師が受付業務や清掃、備品管理といった、本来の看護業務以外の雑務を兼任することが珍しくない。この業務範囲が明確に決まっていないと、「なぜ私がこの仕事をするのか」「誰の仕事なのか」といった不公平感が生まれ、不満が蓄積しやすくなる。これらの業務範囲や責任者を明確にしないまま放置していると、ギスギスした軋轢が目立つ環境に発展しやすくなる。また、現場特有の暗黙のルールがある場合もあり、それを把握して動かなければ孤立してしまうようなこともあるようだ。小規模なチームだからこそ、こういった部分は注意深く探っておいた方が良いだろう。

さらに、スタッフ間の距離が近くなると、おのずとプライベートの境界線も曖昧になりやすい。プライベートな情報が不用意に共有されたり、親しさが原因で言葉遣いがルーズになったりして、関係が悪くなるような事例も見られる。もし、クリニックで働く際は、業務範囲を明確にし、プロとして適切な距離感を保つことを念頭に入れておいてほしい。
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